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2024年3月9日土曜日

【第133話】避難者住まいの権利裁判で「法の欠缺の補充」のお手本として高田事件の3つの判決を解説した準備書面(13)を提出(24.3.8)

 原告準備書面(13) 1頁目(ー>PDF全文

今ではすっかり忘れ去られた朝鮮戦争当時のいわゆる公安事件とされた高田事件。この事件は裁判の審理が1954年を最後に中断され、1969年5月に再開されるまで15年にわたって放置されるという異例の展開となった。この事態が憲法37条1項で保障する「迅速な裁判を受ける権利」を侵害するものであることは明らかであったが、他方で、そのような場合の救済について刑事訴訟法に定めがなかった。法的にこの事態は「法の欠缺」であったが、その場合にどのように扱うべきかをめぐって、一審、二審、最高裁で判断が分かれた。

尤も、3つの裁判所は各判決では「法の欠缺」も「欠缺の補充」という言葉は一度も使わなかった。しかし、激論となった判決の内容はまさに「法の欠缺」と「欠缺の補充」をめぐって闘い抜かれたものであった。この意味で、3つの判決は「法の欠缺」と「欠缺の補充」をめぐって裁判所が議論し尽くした貴重な裁判記録である。そこで、この議論の紹介をしたのが、避難者住まいの権利裁判の準備書面(13)だった。以下、その目次。

目 次 

1、誤記の訂正                            

2、「法の欠缺」問題に対する裁判所の態度                

 (1)、はじめに――高田事件――                     

  (2)、一審判決(名古屋地裁昭和44年9月18日)            

 (3)、二審判決(名古屋高裁昭和45年7月16日)            

 (4)、最高裁大法廷判決(昭和47年12月20日)           

 (5)、小括                             

3、「司法積極主義」に対する裁判所の態度                              

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