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2019年7月22日月曜日

【第11話】「なかったことにする」第2弾:「倫理違反も研究不正もなかった」とした東大・医大の調査委員会報告の問題点(5)(【医大編】倫理違反の事実認定の間違い)(2019.7.22)

ここでは、医大の調査委員会の倫理違反の事実認定について、間違いを指摘する。

1、データ提供に関する市民の同意について
 被告発者(宮崎真氏)は、本件の研究を実施するに当たって、2015年11月2日、研究責任者大津留晶教授の名前で、所属する大学(医大)に、研究計画書等を添付して研究の実施に関する許可の申請書を提出した。

 その研究計画書の4頁に、研究対象者の条件として「データを本研究機関に提供する同意があった者に限られる」と記載していた(しかし、宮崎早野論文では、「同意」していなかった2万7000人を含めガラスバッジ測定した全住民約5万9000人分のデータを使用した)。


 ここまでの事実は関係者間に争いがない。その上で、告発者は次の問題を指摘した。
2、研究対象者に研究が行われていることと研究内容が公知されておらず、同意撤回の機会が与えられていない

つまり、研究計画書の12頁には「本研究の実施について周知するため、HP や伊達市広報誌などに資料4の公開文を掲載していただく予定であると記載していたが、しかし、現実にはHPなどへの公開は全く行われておらず、市民は研究内容どころか研究が行われたことさえ知らされていなかった。



また、 研究計画書の11頁には「同意を得た研究対象者又は代諾者が、本研究の開始後にデータ提供への同意を中止する旨の希望を申し出た場合、その意思を尊重する。」と記載していたが、しかし、前述の通り、市民は研究内容どころか研究が行われたことさえ知らされていない。これでは、「研究対象者等が拒否できる機会」などあるはずはない。



3、調査委員会の認定
 これに対し、調査委員会は、次のように認定した。


すなわち、そもそもこの研究は伊達市が被告発者らに依頼して始まったのだから、研究計画書に記載の研究告知の実施の責任はもっぱら依頼者である伊達市にあり、被告発者らの問題ではない、と。
 しかし、果して「この研究は伊達市が被告発者らに依頼して始まった」ものか?
答えは真っ赤なウソである。真実はその逆で、被告発者らから伊達市に持ちかけて、この研究が始まった。
それを証明する事実が以下である。
①.本研究計画書が提出された2015年11月2日よりさかのぼること8ヶ月以上前の2月13日、被告発者らは伊達市の個人線量計測を受託して実施中だった千代田テクノルを通じて、伊達市に被告発者ら両名に市民の線量データを提供するように依頼した(以下がその依頼文書)。そして、直ちにこれを問題の研究のために使用し、宮崎氏は7月30日の伊達市との定例打合せの場で、その研究成果を披露した(しかし、調査結果には、宮崎氏が調査委員会の聞き取りで、「当該研究に使用したデータは、研究承認前の2015年8月に伊達市から受領したものである」と証言したと書かれている。これも真っ赤なウソである)。
 この依頼に対し、伊達市は承諾した(以下がその文書)。つまり、依頼者は被告発者らであって、伊達市は依頼を承諾した側である。
②.そののち、被告発者らはこの研究を学術研究として発表するため、伊達市から依頼されたという体裁を取る必要が生じ、あたかも伊達市が依頼者であるかのような文書を被告発者らに提出させた。
 この点に関して、宮崎氏が伊達市の担当者に
「ガラスバッチ測定の分析に関して、学術的にだしていくためには、正式に市からの依頼が必要(データ利用の同意)」
と相談を持ちかけた事実が2015年8月25日の定例打合せの議事録(以下の右頁4その他)に記録されている。

 以上から、本研究に市民データを使用することは被告発者らが伊達市に依頼したものであり、それゆえ、市民の同意を取る手続、作業について最終的な責任を負うのは言うまでもなく、被告発者ら両名である。
この点で調査委員会の事実認定は間違っており、その結果、倫理違反の責任の認定も間違った。
この点で、調査委員会は車で40分の伊達市を呼び、上記の事実関係について直接聞き取り調査を行い、真相解明のために再調査することが必至である。

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