「子ども脱被ばく裁判」が提訴審理された福島地方裁判所
裁判所のHPより1:はじめに
脱被ばく子ども裁判は提訴以来6年目の2020年7月28日、審理を終結し、あとは判決という裁きを待つばかりとなった。
しかし、普段の裁判では稀有なことだが、この裁判では実は「裁き」は既に何度も下っていた。なぜなら、この裁判では想定外の局地戦が何度も行われ、その都度、当事者双方がその正体を裁かれ、暴かれるという試練に遭っていたからである。
同時にこの試練は、その都度私たち一人一人に、暴かれた被告(国・福島県ら)の正体を鏡にして、福島原発事故で私たち自身が経験せざるを得なかった空前絶後の出来事がいったい何であったのか、その意味を再吟味し再発見するという貴重なふり返りの機会を突きつけた。
そして、この見えない「裁き」の試練をくぐり抜けた者は、そこで再発見した自分や被告(国・福島県ら)の姿を糧に、今ここから生き直すという決意をひそかに、新たにしたのである。だからこそ、6年もの長きにわたってこの裁判と取り組むこともできたのだ。
以下は、その振り返りのひとつの試み=個人史である。
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