2015年5月まで、 福島県の甲状腺検査の実施主体である福島県立医科大学の検査責任者だった
鈴木眞一氏
福島県立医科大学HPより
福島地裁で審理中の「子ども脱被ばく裁判」、今月2日の代理人と裁判所だけの進行協議の場で、鈴木眞一氏の証人採否をめぐり、この間、書面の応酬(※)、それを踏まえて、裁判所から、
「鈴木証人の尋問事項について、その趣旨、具体的内容を述べた上申書を提出して欲しい。」
旨のリクエストが原告に出された(詳細は、当日の報告->こちらを参照)。
(※)この間の書面の応酬は以下の通り。
1、原告の、山下俊一・鈴木眞一両名の立証趣旨と尋問事項を記した上申書(2019.7.9)2、被告国の、鈴木眞一氏の人証申出についての意見書(2019.8.20)
3、被告福島県の、鈴木眞一氏の人証申出についての意見書(2019.8.23)
4、原告の、「被告国の鈴木眞一氏の人証申出についての意見書」に対する反論(2019.8.26)
5、原告の、「被告福島県の鈴木眞一氏の人証申出についての意見書」に対する反論(2019.8.28)
(※)この間の書面の応酬は以下の通り。
1、原告の、山下俊一・鈴木眞一両名の立証趣旨と尋問事項を記した上申書(2019.7.9)2、被告国の、鈴木眞一氏の人証申出についての意見書(2019.8.20)
3、被告福島県の、鈴木眞一氏の人証申出についての意見書(2019.8.23)
4、原告の、「被告国の鈴木眞一氏の人証申出についての意見書」に対する反論(2019.8.26)
5、原告の、「被告福島県の鈴木眞一氏の人証申出についての意見書」に対する反論(2019.8.28)
本日、原告はこの宿題を片付け、以下の、鈴木眞一氏の「尋問事項に関する上申書」を作成して裁判所に提出。全文のPDFは->こちら
この書面を踏まえて、裁判所が鈴木証人を採用するかどうかの決定は次回10月1日となります。
この書面を踏まえて、裁判所が鈴木証人を採用するかどうかの決定は次回10月1日となります。
1、2013年12月頃からスタートした、鈴木眞一氏を研究責任者として、福島県内の18歳以下の小児甲状腺がん患者の症例データベースを構築し、同がん患者の手術サンプル及び同サンプルから抽出したゲノムDNA、cDNAを長期にわたって保管・管理する「組織バンク」を整備する研究プロジェクトの研究計画書->こちら 同プロジェクトの研究成果報告書->こちら
2、鈴木眞一氏の対する尋問事項(証人申請に関する上申書4頁より)
平成26年(行ウ)第8号ほか
原告 原告1-1ほか
被告 国ほか
尋問事項に関する上申書
2019年 9月17日
福島地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人 弁護士 柳 原 敏 夫
ほか18名
本年7月9日付証人申請に関する上申書4頁に記載の鈴木眞一氏(以下、鈴木氏という)の尋問事項について、原告らにとって重要な尋問事項(尋問事項6~8)を中心に、尋問事項の趣旨、具体的な尋問を明らかにする。
1、尋問事項6
本尋問の趣旨は、2013年12月頃から、鈴木氏を研究責任者として、福島県内の18歳以下の小児甲状腺がん患者の症例データベースを構築し、同がん患者の手術サンプル及び同サンプルから抽出したゲノムDNA、cDNAを長期にわたって保管・管理する「組織バンク」を整備する研究プロジェクト(以下、本研究プロジェクトという (注1))の具体的内容とりわけ小児甲状腺がんの手術を行った福島県立医科大学付属病院以外の病院との協力関係の解明を通じて、小児甲状腺がんの症例数を明らかにするためである。
(注1) これについては原告準備書面(43)第1で詳述した。
すなわち、本研究プロジェクトの特筆すべき点は、研究計画書(甲C73の2。18~22頁)の「7 研究の背景及び目的」に掲げる通り、福島県内で発生した小児甲状腺がんのデータ集積を行なうために、手術サンプルから得られるDNA等を一元的に保管・管理するシステムを構築する点にある。前記データベースはチェルノブイリ事故でウクライナ、ベラルーシ、ロシア3国が国家プロジェクトとして原発事故の被災者のデータを全て登録し、一元的に管理するデータベースを作ったことに匹敵するもので、本来「国家プロジェクト」たるべきものが、私的な「本研究プロジェクト」という看板を掲げて運用されているものである。実際にも、鈴木氏の本研究プロジェクトのほかに、福島県内で発生した小児甲状腺がんの症例データベースを構築しているところはない。
そこで、本研究プロジェクトに小児甲状腺がん患者のデータを集約し、一元的に管理するデータベースを構築するために、福島県立医科大学付属病院以外の病院で行った小児甲状腺がん手術の手術サンプル及び医療情報を全て本研究プロジェクトに集約する必要がある。そのために、研究計画書(甲C73の2)は次の取組みを実施すると述べ、実施した(注2) 。
《研究期間内に当施設および協力施設に受診・入院した手術適応となる18歳以下の甲状腺癌患者のうち、研究参加の同意が得られたもの。‥‥協力病院については、対象者が発生した際に、計画変更申請にて、別個に追加する。》(下線は原告代理人。「8 対象者の選定」25~29行目)
(注2) その実施状況について、本研究プロジェクトの研究成果報告書(甲C75)に次の通り報告されている。
《4.研究成果 ①症例データベースの構築 2016 年 3 月 31 日現在、福島県立医科大学附属病院で手術を施行した症例は、128 例であった。腫瘍径、年齢、リンパ節転移の有無、病理組織学的所見などの情報を一元的に管理するデータベースを構築した。》(下線は原告代理人。4枚目左段9~15行目)
そこで、本研究プロジェクト遂行の中で、小児甲状腺がんの手術を行った福島県立医科大学付属病院以外の病院との協力関係を進めた経緯について、以下の事実を研究責任者の鈴木氏の証言により明らかにする。
①.協力関係を依頼した病院の数及び名称
②.前記依頼の時期及び内容
③.前記依頼に対する各病院の回答
④.その後現在に至るまでに、各病院から寄せられた小児甲状腺がんの症例数
2、尋問事項7
(1)、本尋問の趣旨は、甲状腺検査で実施された甲状腺がんの手術が、学会が作成した甲状腺腫瘍診療ガイドラインに照らし、「手術の必要がある(手術適応)」と認められる基準を満たしていたかを具体的に明らかにするためである。
しかるに、被告国提出の鈴木氏の論文(乙B46。76頁左段10~11行目)では、微小がんについて「現行の診断基準で微小がんでも非手術的経過観察を勧めない理由があるもの」すなわち微小がんであっても「手術の必要がある(手術適応)」と認められるものが26%に及んでいると指摘するが、この理由の具体的内容が示されていない。原告らは、「現行の診断基準で微小がんでも非手術的経過観察を勧めない理由」の具体的内容(例えばリンパ節転移や遠隔転移)を鈴木氏の証言により明らかにする。
(2)、これに関連する事項
そこで、甲状腺検査で実施された甲状腺がんの手術が「手術の必要がある(手術適応)」ものとされると、2018年12月13日までの累計で、福島県内の18歳未満の約38万人から少なくとも273人(原告準備書面(69)――経過観察問題(続き4)・サポート事業問題について――)が「手術の必要がある(手術適応)」小児甲状腺がん(悪性及び悪性疑い)と判明したことになる。これは、通常、年間100万人に1~2人といわれる小児甲状腺がん(甲C73の2研究計画書6頁下から5~4行目。甲C34山下俊一「放射線の光と影:世界保健機関の戦略」536頁参照)に対し、年間100万人に約119人(注3) という尋常でない多発を意味する。
(注3) 甲状腺検査で2012年に甲状腺がんと判明した数は1人だから、2013~2018年の累計は273-1=272人である。小児甲状腺がんが約38万人のうち2013~2018年の6年間で累計272人という数は、100万人あたりに換算すると715.8人、さらに年間に換算すると、年間100万人あたり119人強となる。
そこで、本尋問に関連する事項として、この尋常でない多発は福島原発事故による被ばくの影響によるものかという論点がある。この点、上記鈴木氏の論文(乙B46。75頁)は、被ばくと小児甲状腺がんとの関係を認めたチェルノブイリ事故と比較し、両者の相違点に着目し、これを主な理由にして被ばくと小児甲状腺がんとの関係を否定的にとらえている。しかし、同時に福島原発事故とチェルノブイリ事故には重要な共通点が存在し、これらの共通点について上記鈴木氏の論文は黙して語らない。そこで、原告らは、これらの共通点に関する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
さらに、福島原発事故による被ばくと小児甲状腺がんの関係を否定するのであれば、では、年間100万人に1~2人といわれる小児甲状腺がんが、6年間の累計で約38万人で少なくとも272人(年間100万人あたりで119人)も多発した福島県において、何がこの多発の原因と考えたらよいのか。この最も重要な論点について、上記鈴木氏の論文(乙B46)は何も語らない。そこで、これに関する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
3、尋問事項8
本尋問の趣旨は、「治療の必要のない無害ながん」の手術を行ったという批判いわゆる過剰診断論に対する鈴木氏の見解を明らかにするためである。
この点、上記鈴木氏の論文(乙B46。73~75頁)では、「自験例はそもそも過剰診断や治療にならないよう、様々な基準をクリアした上で手術が行われている」と自らの手術の必要性、正当性を説明しているが、しかし、甲状腺がん手術の必要性を否定する過剰診断論の論拠に対する鈴木氏の見解は示されていない。原告らは、甲状腺がん手術の妥当性の解明に完璧を期すという立場から、過剰診断論の論拠、例えば①「県民健康調査」検討委員会の高野徹委員の「芽細胞発癌説」、②近年、甲状腺の超音波検査導入により多数の微小がんが見つかった結果甲状腺がんの手術数が急増したが、にもかかわらず甲状腺がんの死亡率は低下しないという韓国の事例などの論拠に対する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
4、その他
(1)、尋問事項3
本尋問の趣旨は、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの甲状腺検査をモデルにしたのではないかを確認するためのものである。
(2)、尋問事項4
本尋問の趣旨も、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの発症を元にした見通しを持っていたのではないかを確認するためのものである。
(3)、尋問事項5
本尋問の趣旨は、鈴木氏は2015年5月まで、「子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守ることを目的に」(福島県ホームページ)実施している甲状腺検査の実施主体である福島県立医科大学の検査責任者として甲状腺検査の内実、詳細を最も知る立場にあったことから、「県民健康調査」検討委員会が把握していない甲状腺がんの症例数を確認するものである。
(4)、尋問事項9
本尋問の趣旨は、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの再発したケースとの対比(共通性など)を検証するためのものである。
(5)、尋問事項10
本尋問の趣旨も、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの肺転移したケースとの対比(共通性など)を検証するためのものである。
(6)、尋問事項11
本尋問の趣旨は、福島県の甲状腺検査を受診し、2次検査の結果経過観察とされた子どもが、紹介等により福島県立医科大学付属病院に診察を受けに来た時、診察した医師は患者が上記経過観察中であることが分かるのかを確認するためのものである。
以 上
原告 原告1-1ほか
被告 国ほか
尋問事項に関する上申書
2019年 9月17日
福島地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人 弁護士 柳 原 敏 夫
ほか18名
本年7月9日付証人申請に関する上申書4頁に記載の鈴木眞一氏(以下、鈴木氏という)の尋問事項について、原告らにとって重要な尋問事項(尋問事項6~8)を中心に、尋問事項の趣旨、具体的な尋問を明らかにする。
1、尋問事項6
本尋問の趣旨は、2013年12月頃から、鈴木氏を研究責任者として、福島県内の18歳以下の小児甲状腺がん患者の症例データベースを構築し、同がん患者の手術サンプル及び同サンプルから抽出したゲノムDNA、cDNAを長期にわたって保管・管理する「組織バンク」を整備する研究プロジェクト(以下、本研究プロジェクトという (注1))の具体的内容とりわけ小児甲状腺がんの手術を行った福島県立医科大学付属病院以外の病院との協力関係の解明を通じて、小児甲状腺がんの症例数を明らかにするためである。
(注1) これについては原告準備書面(43)第1で詳述した。
すなわち、本研究プロジェクトの特筆すべき点は、研究計画書(甲C73の2。18~22頁)の「7 研究の背景及び目的」に掲げる通り、福島県内で発生した小児甲状腺がんのデータ集積を行なうために、手術サンプルから得られるDNA等を一元的に保管・管理するシステムを構築する点にある。前記データベースはチェルノブイリ事故でウクライナ、ベラルーシ、ロシア3国が国家プロジェクトとして原発事故の被災者のデータを全て登録し、一元的に管理するデータベースを作ったことに匹敵するもので、本来「国家プロジェクト」たるべきものが、私的な「本研究プロジェクト」という看板を掲げて運用されているものである。実際にも、鈴木氏の本研究プロジェクトのほかに、福島県内で発生した小児甲状腺がんの症例データベースを構築しているところはない。
そこで、本研究プロジェクトに小児甲状腺がん患者のデータを集約し、一元的に管理するデータベースを構築するために、福島県立医科大学付属病院以外の病院で行った小児甲状腺がん手術の手術サンプル及び医療情報を全て本研究プロジェクトに集約する必要がある。そのために、研究計画書(甲C73の2)は次の取組みを実施すると述べ、実施した(注2) 。
《研究期間内に当施設および協力施設に受診・入院した手術適応となる18歳以下の甲状腺癌患者のうち、研究参加の同意が得られたもの。‥‥協力病院については、対象者が発生した際に、計画変更申請にて、別個に追加する。》(下線は原告代理人。「8 対象者の選定」25~29行目)
(注2) その実施状況について、本研究プロジェクトの研究成果報告書(甲C75)に次の通り報告されている。
《4.研究成果 ①症例データベースの構築 2016 年 3 月 31 日現在、福島県立医科大学附属病院で手術を施行した症例は、128 例であった。腫瘍径、年齢、リンパ節転移の有無、病理組織学的所見などの情報を一元的に管理するデータベースを構築した。》(下線は原告代理人。4枚目左段9~15行目)
そこで、本研究プロジェクト遂行の中で、小児甲状腺がんの手術を行った福島県立医科大学付属病院以外の病院との協力関係を進めた経緯について、以下の事実を研究責任者の鈴木氏の証言により明らかにする。
①.協力関係を依頼した病院の数及び名称
②.前記依頼の時期及び内容
③.前記依頼に対する各病院の回答
④.その後現在に至るまでに、各病院から寄せられた小児甲状腺がんの症例数
2、尋問事項7
(1)、本尋問の趣旨は、甲状腺検査で実施された甲状腺がんの手術が、学会が作成した甲状腺腫瘍診療ガイドラインに照らし、「手術の必要がある(手術適応)」と認められる基準を満たしていたかを具体的に明らかにするためである。
しかるに、被告国提出の鈴木氏の論文(乙B46。76頁左段10~11行目)では、微小がんについて「現行の診断基準で微小がんでも非手術的経過観察を勧めない理由があるもの」すなわち微小がんであっても「手術の必要がある(手術適応)」と認められるものが26%に及んでいると指摘するが、この理由の具体的内容が示されていない。原告らは、「現行の診断基準で微小がんでも非手術的経過観察を勧めない理由」の具体的内容(例えばリンパ節転移や遠隔転移)を鈴木氏の証言により明らかにする。
(2)、これに関連する事項
そこで、甲状腺検査で実施された甲状腺がんの手術が「手術の必要がある(手術適応)」ものとされると、2018年12月13日までの累計で、福島県内の18歳未満の約38万人から少なくとも273人(原告準備書面(69)――経過観察問題(続き4)・サポート事業問題について――)が「手術の必要がある(手術適応)」小児甲状腺がん(悪性及び悪性疑い)と判明したことになる。これは、通常、年間100万人に1~2人といわれる小児甲状腺がん(甲C73の2研究計画書6頁下から5~4行目。甲C34山下俊一「放射線の光と影:世界保健機関の戦略」536頁参照)に対し、年間100万人に約119人(注3) という尋常でない多発を意味する。
(注3) 甲状腺検査で2012年に甲状腺がんと判明した数は1人だから、2013~2018年の累計は273-1=272人である。小児甲状腺がんが約38万人のうち2013~2018年の6年間で累計272人という数は、100万人あたりに換算すると715.8人、さらに年間に換算すると、年間100万人あたり119人強となる。
そこで、本尋問に関連する事項として、この尋常でない多発は福島原発事故による被ばくの影響によるものかという論点がある。この点、上記鈴木氏の論文(乙B46。75頁)は、被ばくと小児甲状腺がんとの関係を認めたチェルノブイリ事故と比較し、両者の相違点に着目し、これを主な理由にして被ばくと小児甲状腺がんとの関係を否定的にとらえている。しかし、同時に福島原発事故とチェルノブイリ事故には重要な共通点が存在し、これらの共通点について上記鈴木氏の論文は黙して語らない。そこで、原告らは、これらの共通点に関する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
さらに、福島原発事故による被ばくと小児甲状腺がんの関係を否定するのであれば、では、年間100万人に1~2人といわれる小児甲状腺がんが、6年間の累計で約38万人で少なくとも272人(年間100万人あたりで119人)も多発した福島県において、何がこの多発の原因と考えたらよいのか。この最も重要な論点について、上記鈴木氏の論文(乙B46)は何も語らない。そこで、これに関する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
3、尋問事項8
本尋問の趣旨は、「治療の必要のない無害ながん」の手術を行ったという批判いわゆる過剰診断論に対する鈴木氏の見解を明らかにするためである。
この点、上記鈴木氏の論文(乙B46。73~75頁)では、「自験例はそもそも過剰診断や治療にならないよう、様々な基準をクリアした上で手術が行われている」と自らの手術の必要性、正当性を説明しているが、しかし、甲状腺がん手術の必要性を否定する過剰診断論の論拠に対する鈴木氏の見解は示されていない。原告らは、甲状腺がん手術の妥当性の解明に完璧を期すという立場から、過剰診断論の論拠、例えば①「県民健康調査」検討委員会の高野徹委員の「芽細胞発癌説」、②近年、甲状腺の超音波検査導入により多数の微小がんが見つかった結果甲状腺がんの手術数が急増したが、にもかかわらず甲状腺がんの死亡率は低下しないという韓国の事例などの論拠に対する鈴木氏の見解を鈴木氏の証言により明らかにする。
4、その他
(1)、尋問事項3
本尋問の趣旨は、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの甲状腺検査をモデルにしたのではないかを確認するためのものである。
(2)、尋問事項4
本尋問の趣旨も、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの発症を元にした見通しを持っていたのではないかを確認するためのものである。
(3)、尋問事項5
本尋問の趣旨は、鈴木氏は2015年5月まで、「子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守ることを目的に」(福島県ホームページ)実施している甲状腺検査の実施主体である福島県立医科大学の検査責任者として甲状腺検査の内実、詳細を最も知る立場にあったことから、「県民健康調査」検討委員会が把握していない甲状腺がんの症例数を確認するものである。
(4)、尋問事項9
本尋問の趣旨は、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの再発したケースとの対比(共通性など)を検証するためのものである。
(5)、尋問事項10
本尋問の趣旨も、チェルノブイリとの比較の一環として、先行したチェルノブイリの小児甲状腺がんの肺転移したケースとの対比(共通性など)を検証するためのものである。
(6)、尋問事項11
本尋問の趣旨は、福島県の甲状腺検査を受診し、2次検査の結果経過観察とされた子どもが、紹介等により福島県立医科大学付属病院に診察を受けに来た時、診察した医師は患者が上記経過観察中であることが分かるのかを確認するためのものである。
以 上
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