世界で最も誠実な憲法とは何か。
それは人類史上未曾有の原発事故を経験したウクライナの憲法16条。
「 ウクライナの環境を保全し、
未曾有の災害である
チェルノブイリ事故への対策に取り組むこと
ウクライナ民族の子孫を守ること
これらは国家の義務である」
なぜなら、それは原発事故における国家の責任を「なかったことにさせない!」と憲法に刻み込み、宣言したからである。
世界で最も憲法らしい憲法とは何か。
それは、国家に向かって、チェルノブイリ事故からウクライナ人とその子孫の命、健康、暮らしを守れと命令したウクライナ憲法16条。
なぜなら、もともと憲法のエッセンスは、その起源(※)から明らかな通り、国家に対して、人々の命、健康、暮らしを守れ、人々の自由と人権を侵すなかれと命令するものだからである。
それは放射能災害における国家の義務について、人類普遍の原理を宣言したものである。
世界で最も不誠実な国家とはどこか。
それは、人類史上未曾有の原爆投下を経験した日本、
原爆投下のあと、平和のうちに人々の 命、健康、暮らしができることを国家の責任として命じた憲法9条(それはウクライナ憲法16条に匹敵する)を憲法に刻み込み、宣言した日本、
その悲惨な経験と崇高な国家の義務を宣言しながら、福島原発事故から人々の命、健康、暮らしを守るという国家の責任を「なかったことにする!」、そのために、日夜、刻苦勉励して励んでいる日本である。
この意味で、憲法9条は憲法改正を待つまでもなく、すでに瀕死寸前だ。
それは、原発事故で心身ともに苦しんでいる人たちにとって「理不尽」以外の何物でもない。
それは、人類史上未曾有の原爆投下を経験した国として「理不尽」以外の何物でもない。
「なかったことする」に「理不尽だ」と抵抗し、世界で最も不誠実な国、日本に放射能災害における人類普遍の原理を宣言した ウクライナ憲法16条の木を植え、瀕死寸前の憲法9条を蘇生させること、
それが市民立法「チェルノブイリ法日本版」の実現、
それが311以後の私たちに残されたことである。
(※)憲法の起源はアメリカ革命やフランス革命で発表された以下の人権宣言にある。
「 政府は人民、国家または社会の利益、保護および安全のために樹立されるものであり、されるべきである。‥‥いかなる政府でもこれらの目的に反するか、または不十分であると認められる場合には、社会の多数の者は、その政府を改良し、改変し、または廃止する権利(いわゆる革命権)を有する。この権利は、疑う余地のない、人に譲ることのできない、また棄てることもできないものである。」(バージニア権利宣言3条)
「われわれは、次のような諸原理を自明だと考える。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等であり、すべての人間は神より侵されざるべき権利を与えられている、そうした権利のうちには、生命、自由および幸福の追求が含まれている。
そして、その権利を確保するために、人々の間に政府が作られる。、政府の正当な諸権力は、被治者の同意に基づくものである。どのような政治政体も、これらの目的を害するようになる場合は、それを変更し、または廃止し、彼らの安全と幸福を実現するためにいちばん適当と考えられるような原理に基礎を置き、また、そういう形式でその権力を組織して新しい政府を作ることは、人民の権利である。以上の諸原理をわれわれは自明のものと考える。」(アメリカ独立宣言)
「すべての政治的結合の目的は、人の、時効によって消滅することのない自然的な諸権利の保全にある。これらの諸権利とは、自由、所有、安全および圧制への抵抗である。」(フランス人権宣言2条)
「圧制への抵抗は、他の人権の帰結である」(1793年6月24日フランス憲法33条)
「政府が人民の権利を侵害するときは、反乱は、人民およびその各部分にとって、もっとも神聖な権利であり、かつ、もっとも不可欠な義務である。」(同35条)
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