【第161話】で、9月29日のチェルノブイリ法日本版のさいたま学習会で、「バカの壁」を突破する新たな気づきがあったと書いた。以下は、その気づきの中身を述べたもの。
普通、原発事故は一度発生すると思われているが、実は「原発事故は二度発生する」ことをこれまで、折に触れて言ってきた(末尾の文参照)、これが原発事故のエッセンスだ、と。
しかし、それを人々になかなか合点してもらえなかった。
ところが、今回、9月29日のお話会で、少数とはいえ、それが合点する人々が現れた。
それはどうしてか。
思うに、話の最初に、原発事故が何であったのか、その惨劇と犯罪のさまを、まるで昨日の出来事であるかのように、出来る限りリアルに伝える努力をしたからではないか。
それは、レベルは全くちがうが、1967年、大岡昇平が太平洋戦争の天王山とも言うべきレイテ島の激戦を「レイテ戦記」に書いたとき、
「私はこれからレイテ島上の戦闘について、私が事実と判断したものを、出来るだけ詳しく書くつもりである。七五ミリ八砲の砲声と三八銃の響きを再現したいと思っている。」
と述べた姿勢と共通する。
その訓えに倣って、これから、私は「原発事故は二度発生する」といった原発事故のエッセンスを語るとき、同時に、原発事故の惨劇と犯罪をまるで昨日の出来事であるかのように伝えることに肝に銘じる。
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「原発事故は二度発生する」をめぐるこれまでの文章
◆なぜ今、チェルノブイリ法日本版条例の制定なのか--チェルノブイリ法日本版その可能性の中心--(2)原発事故は2度発生する
2、原発事故は2度発生する
私たちが科学技術によって引き起こされた事故・災害を眺める時に注意すべきことは、事故(災害)は2度発生するということです、
1度目は「人間と自然との関係」の中で、見込み違いや偶然の要素によって発生し、2度目は「人間と人間との関係」の中、で社会との交渉の段階での世論操作において確固たる必然の要素によって発生します。
◆3.11事件はなんだったのか?――見えない政変とチェルノブイリ法日本版制定――
原発事故は二度発生する
3.11福島原発事故は二度発生した。一度目は「自然と人間の関係」の中で、福島第1原子力発電所の中で、天災などの偶然の要素と科学技術の未熟さ、見込み違いによって発生し、二度目は「人間と人間の関係」の中で、我々の社会の中で、確固たる信念と世論操作に基づいて発生した。だから、二度目の原発事故はもはや単なる事故ではない。それは事故と言うよりむしろ事件と呼ぶのがふさわしい。それが3.11事件である。
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