次の有名な言葉がある。
「君たちは戦争に関心がないかもしれないが、戦争は君たちに関心がある。」
ここから、もう1つの核戦争である放射能災害について、次の言葉が引き出すことができる。
「君たちは放射能災害に関心がないかもしれないが、放射能災害は君たちに関心がある。」
そして、これは次のように言い直すことができる。
君たちは放射能災害(とその加害者である国際原子力ムラ)に関心がないかもしれないが、放射能災害(の加害者である国際原子力ムラ)は君たちに関心がある。
なぜなら、君たちは放射能災害の被害者か被害予定者だから。
そうだ、私たちは、好むと好まざるにかかわらず、みんな放射能災害の被害者か被害予定者だ。
この真理を熟知していた国際原子力ムラの総本山IAEAの事務局長をながらく務めたハンス・ブリックスは、(あやうくヨーロッパ全土に人が住めなくなるかもしれなかった)チェルノブイリ事故の直後に次のように言った。
「我々は、毎年、チェルノブイリ級の事故が起きてもびくともしない」
このとき、彼らは自分たちが崖っぷちに立っていることを知り、その上で「(あやうくヨーロッパ全土に人が住めなくなるかもしれなかった)チェルノブイリ級の事故が毎年起きてもびくともしない体制」を作るという賭けに出る決意をした(もしそのことを市民が知ったら「勘弁して欲しい!」と叫んだと思うが、不幸にして、今もって殆どの市民はこの事実を知らない)。
ただし、この賭けが成功するかどうかのカギは「毎年、チェルノブイリ級の事故が起きてもびくともしない体制」を人々が受け入れるかどうかにかかっていることも承知していた。
そのためには、ちょうど戦争遂行のためには人々が不承不承でも戦時体制を受け入れざるを得ないように尽力するのと同様、人々にこの体制をしぶしぶであっても受け入れさせるために、ありとあらゆる手を尽くす決意だった。それが「放射能災害(国際原子力ムラ)は君たちに関心がある」最大の理由だ。
ということは、チェルノブイリ法日本版の市民立法の取り組みが前進しないときには、ただ単に、私たちが望む救済法が実現しないのではなく、私たちが望まないアンチチェルノブイリ法日本版の法令や政策が着々と実現していくことを意味する。
放射能災害(の加害者である国際原子力ムラ)が被害者か被害予定者の市民に関心を寄せない日は一日たりともなく、彼らはチェルノブイリ級の事故が毎年起きてもびくともしない体制」を作るために、日夜せっせと、アンチチェルノブイリ法日本版の実現に向け尽力し切磋琢磨している。
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2021年6月23日水曜日
【第69話】【感想】市民立法「チェルノブイリ法日本版」と原子力ムラ立法「アンチ・チェルノブイリ法日本版」は不断の対立&対決の中にある(2021.6.23)
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